ファン化世界観レター003「ビーチチェア」
- 三上吉昭
- 2018年7月9日
- 読了時間: 2分
「こんなお店や会社だったらファンになっちゃう!」という世界観をお伝えするお手紙シリーズ。
ホスピタリティーなサービスが溢れているリッツ・カールトンホテル。
お客様から感謝の言葉や手紙をよくいただくそうですが、その中にあるエピソードを「ワオ・ストーリー」と呼んで、リッツ・カールトンで働く全世界の従業員に紹介をしています。
今日はその中の1つをご紹介します。
アメリカ・フロリダ州にあるリッツ・カールトン・ネイブルズでの出来事です。
ビーチ係が、砂浜に並んだビーチチェアを片づけていました。そこに一人の男性のお客様がやってきて、彼にこう告げました。
「今夜、この浜辺で恋人にプロボーズしたいんだ。できれば、ビーチチェアをひとつ残しておいてくれないか」
時間が来たら椅子を片付けるのが彼の仕事でしたが、彼は「喜んで」と言ってにっこりと笑い、ビーチチェアをひとつだけ残しておきました。

ここまでは、少し気の利いたホテルマンならば誰でもできることです。
ところが、そのスタッフは違いました。
彼は椅子のほかにもビーチテーブルもひとつ残しておいたのです。そしてテーブルの上に真っ白なテーブルクロスを敷き、お花とシャンパンを飾りました。
またプロポーズの際に男性の膝が砂で汚れないように、椅子の前にタオルを畳んで敷いたのです。
さらに彼はレストランの従業員に頼んでタキシードを借り、Tシャツに短パンといういつものユニホームから手早く着替えました。
手には白いクロスをかけ、準備を整えてカップルが来るのを待っていました。
お客様が言葉にされた要望は、ビーチチェアをひとつ残しておくことだけだったにもかかわらず、です。
参考文献:「リッツ・カールトンが大切にするサービスを超える瞬間」高野登(かんき出版))
いかがでしょう?
お客様でさえ気付いていないニーズ・望みを感じる取る感性
このような感性を持っているスタッフも素晴らしいですし、それをどんどんやってと後押しする文化も素晴らしいですね。
このような感性はすぐに身に付くものではありませんが、だからこそ日々意識しておく必要があるのです。
今日のファン化世界観はいかがでしたか?^^
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