ファン化世界観レター002「わざわざ待ってでも乗りたいタクシー」
- 三上吉昭
- 2018年7月5日
- 読了時間: 2分
更新日:2018年7月9日
「こんなお店や会社だったらファンになっちゃう!」という世界観をお伝えするお手紙シリーズ。
なかなか儲からないというイメージが強いタクシー業界の中で、国内大手タクシー会社以上の収益力(従業員一人あたりの売上高)をたたき出している、長野県の中央タクシー。
「30分、1時間待ってもいい。中央タクシーでないと乗らない」というファンがたくさんいます。いかに地域の人から愛され、絶大たる信頼を寄せられているか物語っていますね。
「お客様が先、利益が後」という理念。これは決してお題目ではなく、お客様へのサービスに表れています。
高齢者にはさっと手を貸し、さりげなく買い物袋を運ぶ
雨の日には傘を差す
ドアサービスや乗車時の自己紹介が義務付けられている
車内の会話を通して、お客様だけでなくお客様の家族のことも気にかける
300メートルという超近距離でも喜んで運行する など

そして長野オリンピックでのエピソードも、中央タクシーの理念を象徴しています。
1998年の長野オリンピックの時、オリンピックの関係者が世界各国のマスコミを運ぶ交通手段としてタクシーを借り上げたいと相談が組合にあり、中央タクシーにも依頼がありました。
借り上げに参加すれば、売上は通常の3倍以上。
しかし、オリンピック専用車両になってしまうと、交通弱者である地域の高齢者の方は、病院や買い物に行けなくなってしまう・・・
最終的に、中央タクシーが取った選択は「地域のお客様の足であり続けること」。
組合からは批判や嫌がらせがあったそうですが、それでも地域の方のために意志を貫いたそうです。
オリンピック期間中は、オリンピック専用車両を提供した他社が売上を伸ばしましたが、オリンピック終了後は、中央タクシーがダントツで売上一位を続けているそうです。
現在は、空港便(成田空港・羽田空港)やリゾート便(東京ディズニーリゾート)なども運行し、決して安くはない運賃にも関わらず利用者が多く、高収益便になっています。
地域の方のために一生懸命だからこそ、地域の人に愛され、ファンが増え、客単価が上がる。大変参考になる事例です。
今日のファン化世界観はいかがでしたか?^^
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